後見人として行う各種手続きで、どうやって自分が後見人であることを証明するか?というと、「成年後見の登記事項証明書」を取得して、というのがセオリー。
でも、登記事項証明書って、後見審判が確定してから2週間ぐらいしないと取得ができません。
家庭裁判所への初回報告の期限は、通常、審判が下りた日の2か月後。
審判が下りてから確定するまで2週間かかるので、確定してから初回報告までの期限は1か月半しかありません。
成年後見の登記事項証明書が取得できるようになるまでさらに2週間も待ってしまうと、家庭裁判所への初回報告まで残り1か月!
1か月の間に財産調査やら各種手続きなんてしてたら、初回報告に間に合わない!なんてことも十分ありえますよね。
こんな時は、「審判書の謄本」+「確定証明書」を成年後見人の身分証明書として利用しましょう。
確定証明書は後見審判の確定後はいつでも発行してもらえるので、成年後見の登記事項証明書の取得を待たずに、すぐに後見人としての職務が開始できます。
ここでは、成年後見の審判確定から家庭裁判所への初回報告までの貴重な時間を無駄にしないための、「確定証明書」の取得方法を詳しくご説明します。
手続き自体は全然難しくありませんが、具体的な手順を知っておくだけで、安心して手続きできるようになりますよ。
成年後見審判の確定証明書の取得方法(目次)
1. 担当書記官に電話して審判が確定していることを確認する
まず初めにやるべきことは、審判が確定しているかどうかの確認です。後見開始の審判は、裁判所から送られてくる審判書の謄本を受け取ってから2週間で確定しますが、この2週間の間に被後見人の親族などから不服申し立てがあると、確定せずに改めて高等裁判所で審理されることになります。
不服申し立てされる例はほとんどありませんが、2週間たっても確定していない可能性はあるので、念のため事前に担当の書記官に電話をして、後見審判が確定しているかどうかを確認しましょう。
東京家庭裁判所の場合、担当書記官の連絡先は、審判書の謄本と一緒に送られてくる書類「最初にお読みください」の一番下に記載されています。
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確定証明書取得の際の担当書記官の連絡先
確認する際は「事件番号」を聞かれますので、お手元に審判書謄本を用意してから電話しましょう。
2. 家庭裁判所に行って交付してもらう
審判が確定していることが確認できたら、管轄の家庭裁判所に出向きましょう。確定証明書を即日交付してもらえます。
一応郵送でも交付してもらえますが、1週間程度時間がかかるので、登記事項証明書が取得できるようになるのを待つのと時間的にあまり変わらなくなってしまします。
時間節約のために確定証明書を取得するわけなので、足を運んだほうがいいですね。
3. 持参すべき書類等
家庭裁判所に行く際に持っていく書類等は、以下のとおり。
- 審判書謄本
- 身分証明書(運転免許証等)
- 認印
4. 確定証明書の交付申請書
確定証明書の交付申請書は、裁判所に備え付けのひな形がありますが、事前に用意して持参したほうが楽です。インターネットで検索すると、各地の家庭裁判所が用意している申請書のひな形が出てきますが、実はこれ、どんな様式でもいいんです。
例えば、名古屋家庭裁判所が公開しているひな形を東京家庭裁判所に提出することもできますし、反対に東京家庭裁判所のひな形を名古屋家庭裁判所に提出しても全然問題ありません。
ひな形によってはあらかじめ「名古屋家庭裁判所御中」のように裁判所名が記載されているものもありますが、そこだけ訂正すれば、どの裁判所のひな形でも利用できるというわけですね。
ちなみに、こちらは全国どこの家庭裁判所でも使える申請書の書式です。
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確定証明書の申請書ひな形
記載例はこちらです。
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(記載例)確定証明書の申請書
5. 東京家庭裁判所(本庁)の注意点
注意点というほどではないかもしれませんが、知っておくと安心できる情報です。後見審判の確定証明書の取り扱い部署
後見審判の確定証明書は、東京家庭裁判所2階の「後見センター」という部署で発行してくれます。申請書のひな形も置いてありますし、記入方法など分からない場合は親切に教えてくれます。
印紙の買い方
確定証明書の交付申請書には、150円の印紙を貼らなければなりません。印紙はどこで買うかというと、なんと地下1階にあるコンビニです。
通常、印紙というと郵便局とか印紙専用の売店を思い浮かべてしまいますが、東京家庭裁判所では地下にあるコンビニでの取り扱いとなります。
初めて行ったときは、裁判所の案内図に「売店」としか出ていなかったので、その「売店」がコンビニのことだと気づくのにかなり時間がかかってしまいました。
今回は成年後見に関するお話しでした。
相続とは直接関係ありませんが、具体的な確定証明書の取得手順を説明しているホームページがあまりなくて、私も初めて取得しに行くときは結構ドギマギしました。
専門家だって初めての経験は戸惑いの連続。ましてや一般の方の場合、家庭裁判所で何かの手続きをするのって、結構敷居が高く感じられるのではないでしょうか。
ちょっとでも具体的な手順を知っていれば、安心して手続きできますよね。
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